FRSⓇ値の高いブランドと低いブランドのイメージの差は?
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「生涯価値(Live Time Value: LTV)」とは、一人のお客様が一生を通じて企業にもたらす利益を指し、これを高めることがマーケティングの1つの目標とされています。
MSSでは、CX(顧客体験)がお客様の「ファン化」を促進することに注目し、「ファン度」をベースにした顧客価値指標「FRSⓇ」を開発しています。この「ファン度」は、従来のロイヤリティ指標の代表である「推奨意向」などに比べても、ブランドやサービスの物質的な価値(=直近の購買金額)との相関が高くなることを検証してきました。
今回のコラムでは、お菓子メーカーのFRSⓇを測定し、FRSⓇが高いブランドと低いブランドのイメージ差について解説します。
<Contents>
・CXを可視化するFRS?とは?
・ファン度によるブランドイメージの差は?
・ブランドイメージとFRS?の関連は?
・今回のまとめとお知らせ
CXを可視化するFRSⓇとは?
まず、FRSⓇを簡単に説明しましょう。FRSⓇは最大1.00で算出されるファン度を表す指標です。さらに、対象となるブランドの認知者を、「ファン度」と「利用状況」から、コアファン層、ファン層、関心層、無関心層、アンチ層の5つにセグメンテーションすることができます<図1>。コアファン層となると、関心層に比べ、そのブランドの直近年間利用金額が3.62倍にも上ります。
また、FRSⓇと生涯価値との相関分析をすると、FRSⓇの相関係数は、推奨意向よりも高いことが検証されました<図2>。
ファン度によるブランドイメージの違いは?
【関心層→ファン層→コアファン層】のように、ファン化を推進するための示唆を得るためには、このセグメント別に、コンタクトポイント、顧客体験やブランドイメージの確認をしていくことが必要です。
ここでは、MSSの自主調査より、お菓子メーカー・ブランドに持つイメージを、FRSⓇが高い「コアファン層」と、低い「無関心層」別に集計した結果を例にして、見てみましょう<図3>。
企業として拡大を目指したい、コアファン層は、どの項目についてもスコアが高く、LTVに関連する「生涯使い続けたい」「必ず利用・購入の選択肢に入る」が、まずTOP2になっていることが特徴的です。
さらに、「楽しい気分になれる」、「情報は信頼できる」、「思いがけない良さがある」の、顧客体験(CX)に関連する項目が続くことが分かります。
ブランドイメージとFRS?の関連は?
次に、菓子メーカーに対するイメージについて、コアファン層と、無関心層のスコアGAPと、項目とFRSⓇの相関分析を行った結果を並べてみました<表1>。スコアGAPが大きいイメージ項目ほど、2種類のデータの関連の強さ示す相関係数も高いことが分かります。
表1:ファン度別のスコアGAPと、相関係数~菓子メーカーのイメージより~
今回のまとめとお知らせ
総括すると、お菓子メーカーが消費者をファンに変えるためには、LTV(顧客生涯価値)関連項目だけでなく、CX(顧客体験)関連項目も重要であることが明らかになりました。具体的には、「楽しい気分になれる」、「情報が信頼できる」、「思いがけない良さがある」といった顧客体験を提供し、それを評価してもらうことが重要です。
さらに、実際のマーケティングの施策に落とす際には、その評価を獲得するために、コミュニケーション活動が重要になってきます。また、その体験の媒介となる、コンタクトポイントとの紐づけもCX戦略上、重要になるでしょう。
MSSでは、FRSⓇに関する無料セミナーを開催予定です。
この記事で触れた内容のほか、下記の自主調査結果を基に、FRSⓇの応用について解説します。
●企業側のCXの取り組みの現状
●FRSⓇから見た、ファン化段階別の、コンタクトポイントとの紐付け
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