SDGsに沿った関連食品・飲料の受容性は? 前編
「物価高とSDGsに関する調査」結果を基に解説
近年、注目を集めているSDGs。その観点から作られた食品や飲料は、高価なイメージがあると言われています。本記事では、2022年から食品・飲料の値上げが続き、賃金上昇がそれに追いつかない状況で家計に負担がかかる中、SDGsに基づいた食品・飲料への受け入れ度はどうなのか、また、どのようなSDGsの商品であれば、少々高価でも購入してもらえるのかについて、自主調査の結果を基に、前編・中編・後編の3回に分けて解説していきます。
今回の<前編>では、SDGsに配慮した食品・飲料の購入意向についてみてみましょう。
<前編>
・SDGsに配慮した食品・飲料の購入意向はどの程度?
・購入意向が高いのはどんな人か?
・今回のまとめと次回の予告
SDGsに配慮した食品・飲料の購入意向はどの程度?
MSSが全国の16歳から69歳の一般生活者2,189名に対して実施した自主調査によると、「SDGs関連の商品を見ても購買意欲が特に変わらない」と感じる人が大多数で、全体の7割を占めていました<図1>。SDGsというキーワード自体の認知度は9割近くあり、その内容まで詳しく知っている人も約30%と、SDGsの概念がある程度、浸透していることが伺えます<図2>。
しかし、具体的な商品購入の段階になると、「SDGsに対応した商品」と言われても、商品選択や購買行動の動機付けにはなっていないようです。
図1:SDGsに配慮した食品飲料に対する購入意向
図2:SDGsに対する認知度合
引用:株式会社MSS「物価高とSDGsに関する調査」
購入意向が高いのはどんな人か?
今回の調査では、「SDGs関連の商品を見ると購買意欲が上がる(上がる+少し上がる 計)」との回答者は1割強にとどまっています<図1>。この全体の1割強にあたる彼らはどんな生活者なのでしょうか?
この回答者の属性に着目すると、Z世代、SDG理解層(「内容まで理解している」)、学生で3割前後とやや高いことが分かります<図3>。
引用:株式会社MSS「物価高とSDGsに関する調査」
Z世代は、SDGsネイティブとも称され、幼少期からSDGsを学び、社会課題を自分の問題と捉える思考を持つ人が他の世代よりも多いとされています。そのため、彼らが社会人となり、消費の主導者となる時期には、SDGsに配慮した商品への購入意向が現在よりも増える可能性があると考えられます。
ただし、これはSDGs教育を受けてきた若者が「SDGsに沿った食品・飲料」の”SDGs”という言葉に反応した結果とも解釈できます。次回のコラムでは、多くの消費者がどのようにSDGsに配慮した食品・飲料について考えているのかを見ていきたいと思います。
次回<中編>へ続く(2023年9月12日公開予定)
> SDGsに沿った関連食品・飲料の受容性は? 中編(2023年9月12日公開予定)
> SDGsに沿った関連食品・飲料の受容性は? 後編(2023年9月26日公開予定)
> SDGsプロデューサー 沢村愛弓オフィシャルサイト(https://sawamura-ayumi-sdgs.com/)
>無料自主調査レポート「物価高とSDGsに関する調査」(近日公開予定)