お金

物価高騰時の購買行動 中編

物価高騰時の購買行動 中編
「物価高とSDGsに関する調査」結果を元に解説


この記事では、物価が上昇する中での消費者の買い物の傾向について詳しく解説します。
食品や飲料の価格が上がり、家計が厳しくなる中で、消費者はどのように工夫して対応しているのか、どの食品や飲料カテゴリーに対する意識が変わっているのか、そして企業の値上げに対する感想はどうなのか、などについて調査結果をもとに説明します。本テーマは、前編、中編、後編の3部構成でお届けします。

今回は<中編>です。
前編では、現在の生活者が自身の暮らし向きに対してどのように見ており、さらに食品・飲料についてどのような行動をとっているかを、見てきました。本編では、具体的な食品・飲料のカテゴリに対して、どのように考えているのかについて、見てみましょう。

<Contents>
・食品・飲料カテゴリと暮らし向きの関係は?
・食品・飲料の各カテゴリに対する生活者の意識は?
・今回のまとめと次回の予告

食品・飲料カテゴリと暮らし向きの関係は?

前編では、生活者が家計防衛のため、食品・飲料の買い物の工夫をしていることが把握されました。特に、家計の状況により、「ゆとりがある/心配少ない」層に比べ、家計が「心配/苦しい」と答えた人は、より節約志向の買い物の仕方に変化していることが見受けられました。

次に、食品や飲料の各カテゴリにおける物価高騰の影響を見てみましょう。どのカテゴリでも、物価が上がり続けても「いつもの商品ブランドを買い続ける」と答えた人たちには、家計に余裕がある人と心配している人とで大きな違いがあります。特に、家計が厳しいと感じている人ほど、お気に入りのブランドにこだわる余裕がないと言えます。<図1>

図1 物価高が続いても、いつもの商品ブランドを買い続けるカテゴリ※全体を基準に多い順に並び替え
引用:MSS「物価高とSDGsに関する調査」

一方、「ゆとりがある」層でも、常に同じ商品ブランドを買い続ける人は、カテゴリによっては約30%程度にとどまることがわかりました。物価の上昇は大きな影響を与えており、家計に余裕があっても、商品の種類によっては、別のブランドを選んだり、買い控えたりする可能性が示唆されています。

食品・飲料の各カテゴリに対する生活者の意識は?

次に、生活者の各食品・飲料カテゴリに対する位置付を確認するため、アンケートの結果を基に、カテゴリごとに偏差値を算出してみました。<表1>

表1 食品・飲料の偏差値:物価高がこのまま続く場合商品ブランドの選択はどうなるか(n=2189)
引用:MSS「物価高とSDGsに関する調査」

緑枠で囲まれたカテゴリ群は、「いつもの商品ブランドを買い続ける」の偏差値が高く、「最悪買えなくなっても問題ない」が低い領域です。つまり、必要度は高く、比較的買い控えされにくいカテゴリと言えるでしょう。 その中でも、カテゴリ毎に特徴があることが分かります。例えば、生鮮野菜・果物や、生鮮肉・魚介は、「特売品や見切り品を狙う」の偏差値が高く、生活者が価格に敏感であることが伺えます。

また、乳製品、米・麺類・パスタ類、大豆製品、肉・魚の加工品などでは、「別のコスパの良い商品ブランドを選ぶ」の偏差値も高いため、コスパが良いと感じられるブランドへのスイッチが起こりやすいカテゴリであると言えそうです。

一方赤枠で囲まれたカテゴリ群は、緑枠の商品群とは異なり、「いつもの商品ブランドを買い続ける」が低く、「最悪買えなくなっても問題ない」が高い領域です。言い換えると、生活者にとっては優先度が低く、物価高の際には買い控えが起こりやすいカテゴリと言えそうです。カテゴリを見ると、加工度の高い食品・飲料が多いことが分かります。

今回のまとめと次回の予告

これらの結果から、物価高騰の影響により、家計が厳しい人ほどお気に入りのブランドにこだわる余裕がなく、家計に余裕がある人でも商品の種類によっては別のブランドを選んだり、買い控えたりする傾向があることが分かりました。

ただし、馴染みのブランドが選択されやすいもの、スイッチが起こりやすいもの、価格に特に敏感なもの、買い控えの対象になりやすいものなど、カテゴリごとの特徴が分かれば、マーケティング戦略に活かすことができます。 視点を変えると、スイッチが起こりやすいものは、顧客流出の危機であると同時に、新規獲得の商機と捉えることができます。また、買い控えの対象になりやすいカテゴリについては、価格以外の、品質やサービスの付加価値を提供するなど、商品開発の工夫が求められるでしょう。

次回のコラムでは、食品・飲料価格維持と値上げについて、生活者がどのように考えているのかを紹介します。

次回:物価高騰時の購買行動<後編>(2023年11月7日公開予定)


関連ページ

> 物価高騰時の購買行動 前編
> 物価高騰時の購買行動 後編
> SDGsプロデューサー 沢村愛弓オフィシャルサイト(https://sawamura-ayumi-sdgs.com/
> 無料自主調査レポート「物価高とSDGsに関する調査」(近日公開予定)

関連記事

  1. 美容家電の利用率が高いのは【知的美人女子】33.8%
  2. 「コンビニ」の週1回以上利用率が高いのは【日常エンジョイ女子】5…
  3. 女性にとっての腕時計の価値は?
  4. SDGsネイティブZ世代の食品選択行動
  5. コロナウィルスの流行前後で「Instagram」の利用率が高いの…
  6. 30代・40代女性の『お祝い事・お見舞い』関連のギフト実態は?
  7. QRコード・バーコード決済の利用率が高いのは【シンプルライフ女子…
  8. 20代から60代までの女性の個人年収、個人貯蓄はいくらくらい?

おすすめ記事

  1. スーパーで体験できる心の価値は?
  2. 「ニコニコ動画」の利用率が高いのは【ヴァーチャル女子】28.0%
  3. 「#朝ごはんの記録」とともに、おうちでの時間や食事を楽しむ投稿がたくさん:2022年10月の朝ごはん
PAGE TOP