プレシニアから未来のシニア市場を考えるシリーズ第1回
プレシニア女性はなぜ「買い回る」のか?
<食料品の購入編①>
本シリーズについて
本シリーズでは、平均年齢57.3歳のプレシニア125名への調査結果から、10年後のシニア市場を考察します。現在50~60代のプレシニア層は、今後シニア市場の中心となる世代です。彼らの買い物やお金に対する意識から、未来のシニア像を探ります。
今回は、プレシニア層が普段どこで食料品を購入しているのかを見ていきます。
食料品購入先としてスーパーマーケットが中心であることは、多くの人が想像するとおりかもしれません。しかし今回の調査では、単に「どこで買うか」だけではなく、「何種類の店舗を使い分けているか」に注目すると興味深い違いが見えてきました。
特に、女性と男性の違い、そして現金派とキャッシュレス派の違いです。
プレシニア世代は一括りに語られがちですが、その買い物行動には意外な幅があります。未来のシニア市場を考える第一歩として、まずはプレシニアの買い物チャネルの実態を見てみましょう。
プレシニアの買い物はスーパー中心だが…
まず、普段利用する食料品購入先を聞いたところ、93.6%がスーパーマーケットを利用していると回答しました。
ドラッグストア(38.4%)、コンビニエンスストア(31.2%)を利用する人も一定数いるものの、プレシニア世代の食料品購入の中心は依然としてスーパーであることが分かります。
この結果だけを見ると、「やはりそうか」という印象を持つ方も多いかもしれません。 実際、今回の調査でもスーパー利用率の高さ自体は大きな驚きではありませんでした。
注目したいのは「どこで買うか」ではなく「何種類の店を使うか」
今回興味深かったのは、利用する業態数です。
男性の平均利用業態数は2.32業態だったのに対し、女性は2.84業態でした。
さらに女性は、
- 専門店(29.4%)
- 百貨店・デパート(31.4%)
- 生協・宅配(25.5%)
の利用率が男性より10ポイント以上高くなっています。
つまり、プレシニア女性はスーパーを利用しながらも、それだけで買い物を完結させているわけではありません。
用途や商品によって、複数のチャネルを使い分けている様子がうかがえます。
平均年齢57歳前後という世代を考えると、現在でも家庭内で食料品購買の主担当を担っている女性が少なくないことも影響しているのかもしれません。
QR決済派ほど複数の購買チャネルを利用している
もう一つ興味深いのが決済方法との関係です。
現金派の平均利用業態数は2.20業態でしたが、QRコード決済・電子マネー利用者は2.97業態に達しています。
これは「QR利用者だから多チャネル」というよりも、複数の購買チャネルを使いこなしている人ほど、キャッシュレスにも親和的という見方もできそうです。
一方、クレジットカード派は、平均利用業態数は2.33業態と、現金派とQRコード決済・電子マネー利用者の中間です。また4位に「百貨店・デパート」「専門店」がランクインしていることが特徴的です。
プレシニア市場を考える際には、「50代・60代だから同じ」と考えるのではなく、
- 買い物先が固定化している人
- 複数チャネルを使い分ける人
- 特定の目的に応じて店舗選択をしている人
という行動の違いにも注目する必要がありそうです。
まとめ
今回の調査から見えてきたのは、
「プレシニアの買い物はスーパー中心でありながら、その使い方は一様ではない」
ということです。
特に女性やキャッシュレス利用者では、複数チャネルを組み合わせながら買い物をしている様子が見えてきました。
現在50~60代のプレシニア層は、今後シニア市場の中心を担う世代です。
未来のシニア市場を考える上では、「シニア」という一括りの見方ではなく、その中に存在する多様な購買スタイルにも目を向ける必要があるのかもしれません。
次回予告
プレシニアの買い物はスーパー中心であることが分かりました。
では、彼らはなぜスーパーを利用しているのでしょうか。
価格が安いからなのか、それとも別の理由があるのか。
次回は「プレシニアがスーパーを利用する理由」から、スーパーの本当の価値を探ります。
【調査概要】
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2026年春
- 有効回答数:125サンプル
- 対象者:全国の男女
- 平均年齢:57.3歳(中央値57歳)
主な調査内容
食料品の購買行動、決済方法、ポイント・アプリ利用、お金や老後に関する意識
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